「飯炊き名人」への道
半年ほど前から土鍋でご飯を炊いています。
べつに私が食道楽だからではなく「壊れた炊飯器を買いなおそうにも、欲しいヤツが高くて手が出なかった」という情けない理由で土鍋を使っています。
半年のあいだ毎日朝と晩にご飯を炊いていれば、そろそそ飯炊き名人になれるような気がしますが、これだ!という快心の炊き上がりは今のところ1、2回しかありません。
たかが炊飯されど炊飯。工夫のし甲斐があり楽しい毎日です。
最初は火加減が大事と思っていました。「はじめチョロチョロなかパッパ」なんて言いますよね。でも最近は「水加減」の方が大事、正確に言えば「炊く前にどれだけの時間お米を水に浸しておくか」の方が大事なんじゃないかな? と思っています。
ただ、この水加減が難しい。毎回同じ量を計って炊いているのですが、毎回炊き上がりが違う。多分、新米と古米の違いとか季節や天候、気温の違いによってもコメが水を吸う量は変るのです。一律に「何ccの水へ何分間コメを浸せば正解」なんてものはないのだと思います。
そして先週からは、道具を替えました。 もう炊飯器は買いません。
それまでは寄せ鍋等を作るときのいわゆる「土鍋」を使っていたのですが、たまたま近所の瀬戸物屋に1,800円のセール品として出ていたコイツを使うようになりました。
箱がなく商品名が判らないので、飯炊用土鍋2号機と名付けています。
1号機には無かった新装備「中ぶた」が炊き上がりに貢献しているはず。
ところで、寿司職人の世界には「飯炊き3年」なんて言葉があるようです。うなぎ屋のおじさんと仲良くなったとき「串うち3年」と聞かされたことがあります。調理業界においては、特定のスキルを得るのに3年掛かるというのが常識なのでしょうか?
それはさて置き、私も3年間炊き続ければ一人前になれるのだろうか?
今の調子ではいつなれるのか見当もつきませんが、毎回炊き上がりを楽しみにしながら飯炊き名人を目指して精進しようと思っています。
ミュシャ展(スラブ叙事詩)を観て来ました。
昨日(3月11日)国立新美術館へミュシャ展を観に行ってきました。
ミュシャと言えば、女性や植物をモチーフにした装飾的な作風で人気がありますよね。
本展図録より 「黄道12宮」 「四芸術」より 絵画(左) 音楽(右)
今回の展示の目玉は「スラブ叙事詩」
これはミュシャが50歳で故郷に戻り、16年もの月日をかけてスラブ民族の苦難と栄光の歴史を描き出した全20点の作品群です。しかしミュシャの思いとは裏腹に、完成した当時(1928年前後)の社会情勢の影響などで長い間正当な評価が受けられず、全作品が公開されるのは2012年5月まで待たねばなりませんでした。
実は出かける前、不安だったんです。
人気の画家の展覧会、しかも「スラブ叙事詩」全点まとめての出展はチェコ国外初とくれば、大混雑するのではないかと。去年の伊藤若冲展のような阿鼻叫喚?(私は断念したのでよくわかりませんが)の世界が待っているのではないかと。
が、心配は杞憂でした。開館10分前に到着したのですが、チケットのもぎりと音声ガイドの辺りがすこし混雑した程度でスムーズに観て回ることができました。混雑が生じないように展示の方法も考えられていたと思います。 *1
目玉の「スラブ叙事詩」は1つ1つがかなりの大サイズ(最大でタテ6m ヨコ8m)なので、後方に余裕を取って展示スペースが設けられていました。このため観覧者は思い思いに距離を取って遠くから絵を眺めることができるのです。その結果、作品の前で「おしくらまんじゅう」が起きることがなく、ストレスを感じずに充分に絵を堪能することができました。
また、今回の展覧会では、ななんと! スラブ叙事詩の一部の作品が撮影可となっています。多くの人がスマホをかざしていましたよ。 (フラッシュは禁止ですよ。念のため)
では、スラブ叙事詩から何点かをご紹介
本展図録より「スラブ民族の賛歌」
「聖アトス山」
アールヌーボー調のポスターなどで見せるミュシャとは違った、国や民族にかける熱い思いを感じに美術館を訪れてみてはどうでしょうか。